2

□迎えにきました
1ページ/2ページ


「…大村、何をしている?」

私はびっくりして素早く振り返った。

「あ、青山さん!」

しまった、まだレポートまとめ終わってなかった!
自分の部屋とは程遠いこの場所で、これは怒られると腹を括った。
お目当ての九楽さんは見つからないし、青山さんには怒られるし…。
ここは九楽さんの研究室の前。

「…九楽さんなら長官室だ。」

青山さんはそう言って近づいてくる。

「どうして九楽さんを探してるのが解ったんですか?」

すると青山さんは大きな溜息をついた。

「解らない方がおかしいだろう。」
「…え?」

「程々にしておけよ。愛想を尽かされても知らんぞ。」

…愛想、尽かされても…。
その言葉が激しく頭にぶつかってきた。

「おや、青山くんと大村くん。奇遇ですね。」

九楽さんが現れた!
…本当に奇遇だと思ってるのかな…?
すると青山さんは私より一歩前に出た。

「…大村、引き留めてしまってすまなかった。…九楽さん、少しお時間頂けますか?」

青山さんは九楽さんに用があったみたいだ。
それにしても、引き留めてしまって…だって。
どうやら青山さんは、私が九楽さんに付きまとう変質者にならないようにしてくれたみたいだ。
…ちょっと控えた方がいいかな。









それから二日後。
私は職員食堂で遅めの夕飯を食べていた。

「…大村くん、ご一緒してもよろしいですか?」
「九楽さん!?…あ、はい!どうぞ!!」

わ!!なんでこんな時間に!?
突然の九楽さんに驚き、私はカバンを落として素早く拾う。
九楽さんは私の向かい側に座った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ