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□全力でバレンタイン
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…遅い。
これからパトロールに出掛けるのに、待ち合わせの時間を決めた赤木さん本人が現れない。
もう三十分も遅れてるし、連絡も取れない。
何かあったのかな…?
さすがに心配になってきたので探しに行く事にした。

もしかしたらトレーニングでもしているのかもしれないと、私はまずトレーニングルームへ向かった。
そこには九楽さんとゼロくんが居た。
私に気づいた九楽さんは声を掛けてくれた。

「どうかしましたか?」
「あの…赤木さん見ませんでしたか?」

九楽さんは首を傾げる。

「私は見ていませんね…。ゼロ、何処かですれ違っていませんか?」

ゼロくんは目を閉じた。

「今朝、食堂でチョコレートを食べているところを確認したよ。」

すると私の背後から、突然黒峰さんが顔を出した。

「赤木ならチョコレートの食い過ぎで医務室につれて行かれたぜ。」
「チョコレートの食べ過ぎ!?」

…お腹壊したのかな。
黒峰さんはニヤニヤしている。

「鼻血が止まらねぇんだと。」

想像して力が抜けてしまった。

「…鼻血ですか、どうしてそんなにチョコレートを…?」

すると私の言葉に九楽さんが答えてくれた。

「毎年ハートレンジャーの四人は、段ボール箱から溢れんばかりのチョコレートを貰っているのですよ。」
「段ボール箱!?」

「黒峰くんも何箱分か頂いていると思いますが。」
「そうなんですか?」

背後の黒峰さんの顔を見上げる。

「売るほどある。…まぁ、俺ほどじゃないが赤木もそこそこ貰ってるんだろ。それを…アイツは馬鹿だからな。全部食ってんだ。」
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