番外編

□抱き心地
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突然長官室に呼び出され、急いで向かうと椅子に座った千鳥さんと神谷さんが私を待ち構えていた。
一体どんな用件なんだろう。
扉を閉めて二人に近づいて行くと、千鳥さんがどこか嬉しそうに口を開いた。

「抱き枕を作ったんだけど、試作品で一つプレゼントしようかと思ってね。」

思わず自分の耳を疑った。

「だ、抱き枕ですか!?どうしてまた…。」
「あれ?興味ない?」

意外だと言わんばかりの表情で千鳥さんは首を傾げる。
Jガーディアンズは寝具も取り扱ってるのか…。
でも抱き枕なんて使わないしな。
私は申し訳ない気持ちで答える。

「そうですね…、最近寒くなってきたので、私はどちらかというと軽くて暖かい毛布の方が…、」
「何言ってるのよ!寒い時は人肌に決まってるじゃない!!」

ばんっ!!
と、机を叩いた神谷さんはズカズカと私に近づいてきた。

「ひ、人肌!?」

すると千鳥さんも大きく頷いた。

「それも一理あるね。僕もどちらかというと、暖かい毛布より…温かい人肌の方が…。」

神谷さんは哀れむような視線を私に向けてきた。

「でも独り身には難しいでしょ?」
「そんな貴方にピッタリなのが抱き枕!」

ばーん、と千鳥さんは机の下から抱き枕を取りだした。
まるで通販番組を生で見ているようだった。
千鳥さんは枕に頬ずりしている。

「ふわふわで気持ちいい〜!」
「更に今なら!カバーもついてるわよ!」

次に神谷さんがドーン、と取り出したのは綺麗に畳まれた枕カバーだった。
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