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□睡眠の件
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「千鳥さん…起きてください。」
私は膝を着き、俯せで倒れている白衣にそっと触れた。
「…うん?」
ぴくっと頭が動く。
「朝です。それにそこは床です。」
ゆっくりと顔を上げた千鳥長官は、目をショボショボさせながら私を見上げる。
「…んん?おはよう…どうして、」
「どうして、ってもう10時ですよ。心配して探しに来たんです。」
「あぁ…そうか…ありがとう。」
そう言ってヨロヨロと起き上がる。
ここは千鳥長官のラボ。
朝から姿が見当たらない千鳥さんを探して私はJガーディアンズ内を走り回っていたのだ。
「お願いですからベッドで寝て下さい。」
ゆっくりと作業台を片付ける千鳥さんを見ながら私はぼやく。
「出来ればそうしたいんだけどね。」
なんて言いながら、その表情はニコニコしている。
こんな事言われ慣れてるのだろう。
「眠たくなる前に寝室へ向かって下さい。」
やれやれ、と私は手帳を開く。今日のスケジュールを確認する。
「眠たくないのにベッドに入るの?」
「目を閉じれば眠たくなりますよ。」
「…うーん。」
視線を戻すと、何を悩む事があるのか首を傾げて考え込んでいた。