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□深夜
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…眠れない。
私は閉じていた瞼を開けた。
ガンガンに目が冴えてしまっている。
隣で眠る千鳥さんは小さな寝息をたてていた。
疲れてるのかな。
布団を掛け直してあげると、少し身じろぎした。
どうしたものかとその寝顔を見つめる。
…今夜は観察してみようかな。
「…ぇ。」
千鳥さんは何か言っている。
寝言かな?
「…どうしても、駄目だった!」
突然大声で叫んだ。
…びっくりした。
あまりいい夢じゃないのか凄く苦しそうな顔だ。
私は腕枕じゃない方の手を顔の前に持ってきた。
表情を確認する。まだ寝てる。
その手の甲を撫でて上げた。
「んー…。」
何故か私の手を握る。
もしかして起きた?
「…千鳥さん?」
ものすごく小さな声で言った。