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□変化は望まない
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ブリーフィングルームが騒がしいのでそっとドアに近づいた。
自動ドアだったらしく、勝手に開いたドアに部屋に居た全員の視線を浴びる事になってしまった。
神谷さんは私の顔を見るなり手をこまねく。
「あきひちゃん!いいトコロに来たわ!」
いいトコロかどうかは解らないけど嫌な予感しかしない…。
テーブルを囲んでいたのは神谷さん、赤木さん、珍しい事に黒峰さんも居た。
何のメンバーなんだろう?
神谷さんは空いている椅子を勧めてくれた。
「どうだったの?」
「…何がですか?」
「旅行よ!」
神谷さんはとても興奮している。それとは対象的に黒峰さんは呆れたように言った。
「何だよ…さっさと長官にヤられちまったのか。」
「長官!?シャーロックさんと、りょ、旅行に行ったんじゃなかったのか!?」
赤木さんは顔を赤らめながら叫ぶ。
「シャーロックさんですよ…それに旅行じゃないです。旅行会社から依頼があったんです。」
「そ、そうだよな…。」
納得したのかは解らないけど、立ち上がり掛けた赤木さんは座り直した。
神谷さんはニコニコしながら私を見つめる。