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□雨のち晴れ
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朝、千鳥長官は目が覚めるなり飛び起きた。
「わ、千鳥さん…おはようございます。」
「今日は雨が降るって言ってたよね!?」
深刻そうな表情でそう叫び、私の顔を見て笑顔になる。
「あきひさん、おはよう!」
「お、おはようございます…。」
…びっくりした。
「雨だとマズイですか?降ってますけど。」
「何だって!?」
千鳥さんは素早く窓へ駆け寄る。
「千鳥さん、浴衣が良い具合にはだけてます。」
「おっと、失礼。」
ササッと直す。
私は隣に並んで外を眺めた。
「結構降ってますね…。」
「残念だな…、桜は今日で終わりだね。」
あ。
確かに。
数日間満開だった桜はこの雨で散ってしまうかもしれない。
「あきひさんと花見がしたかったなぁ。」
千鳥さんが悲しそうな表情で笑った。