□異常な速さ
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朝、目覚ましの音が聞こえると必ず千鳥さんがそれを止める。
そして私が目を覚ますまで見張っているから、私はすぐに起きるようにしている。
始業の一時間前には自分の部屋に戻り、身仕度をしてから長官室へ出勤する。
なのでその一時間前、…始業の二時間前に目覚ましをセットし、一時間は千鳥さんと過ごす。

何をする訳でもない。
ベッドの中で他愛の無い話をして、当たり障りの無い話をして…。

ふと時計を見上げると部屋に戻る時間になっていた。

「そろそろ着替えてきますね。」

私がそう言って上半身を起こすと、素早く手首を掴まれた。
大きな手だと思った。

「千鳥さん?」

「もう少しだけ…。」

眠そうな顔でそんな事を言われたら、その腕を振り払うなんて出来ない。
私は顔を背けた。

「…遅刻しちゃいますよ。」

「いつも皆勤賞だから、大目に見てあげるよ。」

そしてベッドに引きずり込まれた。
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