規格外

□拍手ss
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誰も居ない静かな図書室で調べ物をしていると、無意識に肩をすくめていた。
今日はやけに冷えるなぁ…。
ペンを置き、壁に掛った時計を見上げる。
一通り終わったし、本を棚に戻して…片付けたらおしまい。
机に置いてあるコーヒーに手を伸ばし、窓の外へ視線を向けた。
「…雪だ。」
声に出てしまった。
大きな雪がゆっくりと落ちてくる。
そりゃ寒い訳だ。
…でも千鳥さんはいつもの寒そうな格好をしてるんだろうな。
どんどん落ちてくる雪を見つめながら、そんな事を考える。
よし、早く片付けて長官室に戻ろう!
気合いを入れ直して、机に散らばった書類を集める。
すると図書室の扉が開く音が聞こえた。
それにつられて顔を上げる。

「あ。」

そこに立っていたのはいつもの格好の千鳥さん。

「迎えに来たよ。…雪が降ってきたからね。」
「基地の中ですから…雪が降ってても大丈夫ですよ。」

「そう?」

千鳥さんはニコニコしている。
私も思わず笑顔になる。

「…でも、嬉しいです。ありがとうございます。」
「そろそろ終わる頃かと思ってね。」

「雪…関係無いですよ。」
「まあまあ。」

そう言って千鳥さんは片付けるのを手伝ってくれた。






*寒い時の拍手
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