メノス

□もっともっと!
1ページ/2ページ

日課となったランニングの休憩中。
ここは川に掛かる大きな橋の下。
日陰になるこの場所で私は座り込むとボーッと川の流れを見つめていた。

「おーっす!あきひっち!!迎えにきたぜ!!」

突然降ってきた大声に素早く振り返る。

「ウルフ!!」

嬉しそうに近づいてくるのは、尻尾をブンブンと振り回しているウルフだった。

「えっと…迎えって、」
「さっさとメノスに来いよ!みんな待ちくたびれてるッスよ!」

私の隣に座り、目をキラキラさせている。

「そんな事言われても…無理だから。」

私はそう言いながら立ち上がった。

「何でだよー!俺っち、朝起きたらすぐにあきひっちの顔が見たいんだ!」
「と、とにかく!用事がそれだけならもう帰って!私はハートレンジャーなの!!」

するとウルフは不満そうに口を尖らせる。

「むー…じゃあ、今日はもう帰るよ。でも、」

キッと私を見上げるウルフは真顔だった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ