メノス
□もっともっと!
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日課となったランニングの休憩中。
ここは川に掛かる大きな橋の下。
日陰になるこの場所で私は座り込むとボーッと川の流れを見つめていた。
「おーっす!あきひっち!!迎えにきたぜ!!」
突然降ってきた大声に素早く振り返る。
「ウルフ!!」
嬉しそうに近づいてくるのは、尻尾をブンブンと振り回しているウルフだった。
「えっと…迎えって、」
「さっさとメノスに来いよ!みんな待ちくたびれてるッスよ!」
私の隣に座り、目をキラキラさせている。
「そんな事言われても…無理だから。」
私はそう言いながら立ち上がった。
「何でだよー!俺っち、朝起きたらすぐにあきひっちの顔が見たいんだ!」
「と、とにかく!用事がそれだけならもう帰って!私はハートレンジャーなの!!」
するとウルフは不満そうに口を尖らせる。
「むー…じゃあ、今日はもう帰るよ。でも、」
キッと私を見上げるウルフは真顔だった。