メノス
□ちゃっかり
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私は自分の部屋の冷蔵庫を静かに開けた。
こんな夜中にいけないとは解ってる、でも我慢できそうにない。
葛藤しながらケーキの入った箱を取り出し、もう時計は見ないようにしてお皿とフォークを準備する。
この箱の中には二つのチーズケーキが入っている。
一つだけお皿に乗せて、テーブルに運び、躊躇いもなく食べ始めた。
やっぱり美味しい!!ここのお店はチーズケーキが美味しいんだよね!!
もはや罪悪感ゼロで食べ進めていると、背後から視線を感じた。
…怖くて振り向けない。
でも確認しないのも怖いのでそうっと振り返る。
「…え?」
「やあ。」
ベッドの上に座っているのは…謎の少年ゼータ?
驚き過ぎて固まってしまった。
ど、どうしよう…戦って勝てる訳ないし…せめて誰かに知らせないと…!
ぐるぐると色々な事を考えているとゼータはいつもの笑顔で言った。
「ある人に頼まれて…君に会いに来たんだ。」
「…あ、ある人?」
って…怪人X、だよね?
なんで私が目をつけられてるの?
私はゆっくりと通信機に手を伸ばす。
「僕は戦うつもり無いんだけど。」
…本当?
「君がその気なら仕方が無いか…僕の強さは知ってるよね?」
怖すぎて私の手は止まってしまった。
「僕は構わないよ。でも…ある人は、君を傷つける事は極力しないで欲しいって言うからさ。」
…ん?
怪人Xは女性に優しい?
頭がパンクしそうなぐらい考えていると、ゼータがじっとケーキを見ているのに気づいた。