メノス
□寛ぎ過ぎ
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仕事が終わって部屋に戻ると、ゼータが椅子に座ってペットボトルのジュースを飲みながら雑誌を読んでいた。
「…寛ぎ過ぎだよね。」
この部屋にジュースは無い筈だし…持参したのかな。
それにあの雑誌、私のだし。昨日買ったばかりでまだ読んでないのに。しかもファッション誌なのに。
ゼータはこちらを見ずに言った。
「いつまで働いてるのさ。人間って本当に働き者だよね。」
「特に日本人はね…。」
私は更に疲れた体を引きずってソファーに座りこむ。
今日のトレーニングは赤木さんのスペシャルメニューがハードだった。
合体技なのに黒峰さんは居ないし…。
「あーあ、暇だった。暇過ぎてお腹空いちゃったよ。」
ゼータはそう言ってちらっと私へ視線を向けた。
「あ、私も夕飯食べてないんだった。」
こんな時間に食べるのは体に良くない、既にそんな時間だった。
できればこのまま寝てしまいたい。
「信じられない。言われなきゃ気づかないの?」
「そういう日もあるでしょ?」
よっこらせ、と立ち上がる。
「食堂行ってくるね。何か食べたい物ある?」
私がそう言うとゼータは驚いていた。
「…持ってきてくれるの?」
「うん。食堂には行けないでしょ?ここで一緒に食べようよ。」
「…まぁ、君がそういうなら構わないけど。」
「…何でもいいよね。適当に買ってくる。」
「あ、」
面倒臭くなった私は聞こえなかったフリをして部屋を出た。
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