メノス

□エマージェンシーコール
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「ただいまー。」

部屋に戻ってくるとゼータは相変わらずあの椅子に座り私の雑誌を読んでいる。…面白いのかな?

「…何それ、僕に言ってるの?」
「え、何が?」

「ただいま、って。」
「ゼータに言ってるんだけど…。」

…他に誰か居るの?この部屋…。

「あっそ。」

ゼータは雑誌を閉じ、私の持っているコンビニの袋を見ている。

「新しい雑誌。あと夕飯だよ。」

ソファーの上に袋を置くと、ゼータはそれを勝手に出していた。
それを横目で確認して、私は脱衣所へ着替えに行く。
戻ってくるとゼータは雑誌の表紙を見ていた。…特集をチェックしてるのかな…。
私は買ってきたサンドイッチを出した。

「食べようよー!」

ゼータは何も言わずに隣に座った。
すごく気になっていた事を聞いてみることにする。

「ねえ、昼間って何してるの?」
「…別に。今日はゴロゴロしてたら眠たくなっちゃったから昼寝してたけど。」

う、羨ましい…。
そんな私の視線に気づき、ゼータは目を逸らす。

「暇だけどね。」
「…もしかして、昼間もここに居るの?」

「そうだけど。」

当然じゃん、とゼータはサンドイッチを開封する。
そりゃ暇でしょうね。何も無いし。
その時、部屋中にエマージェンシーコールが鳴り響いた。
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