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□もう少しだけ
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……退屈。
私は読んでいた本を閉じ、ベッドから降りた。
長官室へ繋がる扉はまだ開かない。
千鳥さんは忙しいらしく、仕事がなかなか終わらない。
早く寝て欲しいから夜更かしは出来ない。
…という事は寝る前の何気ない時間はほとんど無くなってしまう。
たまにはこんな日もあるよね…。
そう言い聞かせても、テンションは上がらない。
しばらくすると扉が開き、千鳥さんが肩を回しながら寝室に入ってきた。
私は足早に近づいて行く。
「何とか今日中に終わったよ…。」
「お疲れ様です。」
歩きながら頭を撫でてくれた。
「今すぐに抱きしめてあげたいんだけど…先にお風呂へ、」
手が離れ、そう言い終わらないうちに、私は後ろから抱き着いた。
これこれ…この感触。
「…構って欲しかったのかな?」
千鳥さんの掌が私の腕に触れる。