□おやすみ
1ページ/6ページ

寝室へ入ると千鳥さんが辛気臭い顔をしていた。
まるでこの世の終わりを思わせるようなオーラに、声を掛けるのも躊躇われる。
どうしたんだろう、燃え尽きたのかな…?
とりあえず隣に座り、そーっと壊れないように背中に触れた。
千鳥さんはゆっくりと私へ視線を向ける。

「明日…、お休みになってしまったよ。」
「…お休み、ですか?」

ぽつぽつと話してくれた内容は、
青山さんと九楽さんと、ゼロくんの調整実験を明日行うという事。
朝早くから始めて、恐らく夜までには終わる筈…食事もどのタイミングで手が空くか解らないので青山さんが手配をしてくれるらしい。
…お休みになってしまったのは、私。

朝早いとの事なので、嫌がる千鳥さんを無理矢理ベッドに押し込む。

「…寂しい思いをさせてしまうけど、」
「大丈夫ですよ…、同じ建物に居るじゃないですか。」





朝、目を開けると千鳥さんはもう居なかった。
…やっぱり寂しいかも。
千鳥さんの枕に顔を埋め、大の字にベッドを占領してみたけど…虚しいのでやめた。



着替えを済ませ、今日は何をしようかと考えながらウロウロ。
誰か暇な人は居ないかとウロウロ。
何か食べようと食堂へ向かう。


入口の近くのテーブルで赤木さんと黒峰さんが座っていた。
珍しい組み合わせだなぁ。
黒峰さんは私に気付くとニヤリと笑った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ