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□大切な仕事
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「あ、ジェームズさん!おはようございます。」
私は曲がり角から現れたジェームズさんに声を掛けた。
「…ああ…あきひさん…。千鳥長官と一緒ではないのですか?」
「はい。今日は青山さんのお手伝いを頼まれてるんです。」
そう言って、目の前で抱えている大きな段ボールを目で示す。
大きな二箱を縦に積んでいるが、重さ自体は軽い。
「…そうなんですか…。」
ジェームズさんはにっこり笑った。
「何でも屋、みたいですね。」
何でも屋…?
「では私は仕事に戻ります。…この書類に千鳥長官のサインを頂かなくてはいけないので。」
そう言って一枚の書類を私に見せる。
そしてそうっとファイルにしまう。
「…はぁ。そうなんですか。」
気の抜けた返事をするとジェームズさんは小走りに去っていった。
なんだか色々噛み合わない人だな。
その後ろ姿をぼーっと見ていると、突然背後から声が降ってきた。
「…大変そうだな。」
慌てて振り返ると、眉間に皺を寄せた青山さんが立っていた。
「あ、青山さん!すいません…。」
寄り道!怒られる!!
よっこらせ、と落ちてきていた箱を持ち直し、全然大変じゃないアピールをする。
「そういう意味じゃない。」
青山さんは上の箱を一つ持ってくれた。
「あ…ありがとうございます。」