□器用貧乏
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ブリーフィングルームで、いつものメンバーが勢ぞろいで打ち合わせ中。
神谷さんが立ち上げているプロジェクトの役割分担を決めている。
千鳥さんは自分が担当する広報の仕事内容を、ホワイトボードの前に立って説明した。
広報なんて珍しい!
私の隣ではジェームズさんが必死にメモをとっている。
千鳥さんはおもむろに手を挙げた。

「という訳で、僕の仕事を手伝ってもらいたいんだけ」

「あ、私が…!」
「私がやりましょう!!」

私と同時に立ちあがったのは隣のジェームズさん。
何も言葉が浮かばずにいると、ジェームズさんは素早く座った。
私も同じように座る。
千鳥さんは見事にシンクロした私たちを見て笑った。

「じゃあ二人にお願いしようかな!」

すると青山さんが千鳥さんを睨んで言った。

「広報へそんなに人手は必要無いだろう。…大村はこちらの仕事を手伝ってもらえると助かる。繊細な作業だからな。」

青山さんはデータを管理する作業の担当。
すると千鳥さんは渋々頷く。

「ああ…それもそうだね。じゃああきひさんは玲士の指示を待っててくれるかな?」
「あ…はい。」

千鳥さんが納得したって事は、これが一番良い振り分けなんだよね。
青山さんと仕事をするのが嫌な訳じゃない。
千鳥さんと仕事ができないのは…寂しいけど、そんなのよくある事だし。仕事だし。

「じゃあジェームズにはこれを渡しておくよ。」

そう言って千鳥さんは何枚かの書類を渡す。
きっとこのモヤモヤした感じは…。
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