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□行こうよー
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朝食を済ませた後、千鳥さんは私を一度部屋から出し、呼び出した。
長官室の椅子に座る千鳥さんのデスクの前に立つ。
「…どうしたんですか?」
「急に呼び出してしまってすまないね。」
ああ、そのセリフが言いたかったんだ…。
謎の行動の理由はこれだ。
と、いう事は…?
「紅葉シーズン真っ只中だからね!シャーロックに依頼が入ったんだ!」
やっぱりシャーロックさん!でもその理由は何なんだろう…。
「どんな事件なんですか?」
「それは行ってみないと解らない。」
「……はい?」
依頼があったんじゃ…。
「事件は現場で見つけるものだよ。」
聞いた事あるような無いような。
「名探偵が出掛けると必ずと言っていい程事件が起きるからね。」
私は腕を組み首を捻った。
そんな様子を見て千鳥さんはデスクに手をつき、身を乗り出した。
「とにかく!出発は正午!詳しい事はこのしおりを見ておいてね。」
そう言って薄い冊子を取り出した。
旅のしおり…。旅行だ…お許しは出たのかな…?
「さぁ!すぐに準備をして!!」
千鳥さんは私が出て行くのを待っている。
…二人で遠出なんて楽しみかも。
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