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□サンタクロースの生態
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私は自分の机に向かい、千鳥さんは窓際をウロウロと行ったり来たりしている。
いつもの長官室の光景の中に、今日はジェームズさんも居た。
千鳥さんに用事があると言って侵入してきた後、そのまま来客用のソファーに座り、ノートパソコンを持ち込んで仕事をしている。
突然、千鳥さんが声を発した。
「サンタクロースって居ると思う?」
私が顔を上げると、千鳥さんのキラキラとした視線が向けられていた。
…私はどう答えたらいいんだろう。
千鳥さんの頭の中では、サンタクロースも幽霊やUFOと同じカテゴリに入っているらしい。
答えに困っているとジェームズさんが口を挟んできた。
「居ますとも!」
「…え?」
「ジェームズ!君もそう思うかい!?」
君、も?
どうやらそれが正解だったらしい。
千鳥さんの嬉しそうな顔を見て、私は考えるより先に言葉が飛び出してしまった。
「も、勿論!居ますよね!」
「おおっ!やっぱりあきひさんは解ってくれると思ったよ!」
千鳥さんの笑顔の横でジェームズさんは私を睨んでいた。
…罪悪感が…。
千鳥さんは両手を広げた。
「という訳で二人にはサンタクロースの資料を集めてきて欲しいんだ。」
「資料…ですか?」
「お任せ下さい!あきひさんよりも多くの資料を集めてみせます!」
勢い良く立ち上がったジェームズさんに負けじと、私も椅子を蹴飛ばして立ち上がる。