□出せなかった手紙
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長官室に突然現れたのは青山さんだった。
千鳥さんは素早く立ち上がる。

「今日は忙しいから駄目だよ!」

しかし青山さんは首を横に振る。

「大村に手伝ってもらう仕事は無い。」

そう言ってポケットから一枚の紙を取り出して、千鳥さんに見せる。

「心当たりは無いか?…手紙のようだが。」

ぺらっと開いて見せられた。
花柄の便箋に英語でずらずらと文字が書かれている。
…花柄?

「僕に?何て書いてあるんだい?」

首を傾げる千鳥さんの顔を、青山さんはちらっと見て、便箋に目を通す。

「…愛しの千鳥長官。」

「…!?」

長官室に緊張が走る。

「貴方はまだ覚えていますか?あの頃の貴方は、泣いてばかりだった私に優しく声を掛けてくれましたね。たとえ身も心も離れてしまっても、」

それを遮って千鳥さんが叫んだ。

「ストップ!!玲士、あきひさんの顔を見てごらん!!」
「ん?」

青山さんは私の顔を見つめる。

「どうした、怪人Xのような顔になっているぞ。」
「…そんなに白いですか。美白効果のある高い化粧水を使ってるんですよ。」

私はそう言って立ち上がった。
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