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□言わなくても
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「あきひさん!!」
勢い良く扉を開けて長官室へ戻ってきた千鳥さん。
とても嬉しそうな表情だった。
「さっき神谷くんからいいモノもらっちゃったよ〜!!」
「何をもらったんですか?」
千鳥さんがニコニコしているとこっちまで嬉しくなってくる。
「あきひさんには特別に見せてあげようかな!」
「いいんですか?ありがとうございます。」
一体何をもらったんだろう?
こんなに喜んでるって事は座敷わらしの写り込んだ写真かな?
惑星探査機の破片かな?
あ、でも神谷さんからもらったなら…無難に食べ物かな?
私が色々と考えているのを見て、千鳥さんは言った。
「じゃあ目を閉じてくれるかい?」
「…こうですか?」
言われた通りに目を閉じる。
…なんだろ。全然わかんないや。
「あ!やっぱり開けて!!」
「え?」
千鳥さんは慌てた様子で胸に手を当てた。
「ふー、危なかった。」
「どうしたんですか?」
「あきひさんが目を閉じた顔が可愛過ぎて…ドキドキしちゃって、僕のハートエナジーで変身しちゃうかと思ったよ!」
「……。」
開いた口が塞がらなかった。
…何を…言ってるんだろう、この人は。
どうして言った本人じゃなくて、言われた方が恥ずかしくならなきゃいけないんだろう。
しかし千鳥さんは首を傾げた。
「あれ?見たかった?僕の変身。」
「ち、千鳥さんは変身できないじゃないですかっ!何を言ってるんですか!!」