□負けず嫌い
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できた!!
私は長官室の隣の部屋で、綺麗にラッピングした袋を見つめている。
我ながらよく出来たと思う。
中身は神谷さんに誘われて一緒に作ったチョコチップクッキー。
リボンの切れ端などの細かいゴミを素早く片付け、千鳥さんが来るのをわくわくしながら待っている。
何のプレゼントかと言われたら…理由は無いけど、たまにはいいよね。
折角だから、千鳥さんが喜びそうな事を言って渡そうかな。
手紙は恥ずかしいし、どんな言葉がいいか考える。
そうこうしてる間に千鳥さんが仕事を終えてやってきた。

「あ、お疲れ様です!」
「いやいや、そんなに疲れてないよ!」

いつも通りの千鳥さん。
ここにきて緊張してきた私は小さく咳払いをした。

「千鳥さん、あの…、」
「うん?」

さっと袋を取り出すと、千鳥さんは驚いているようだった。
私は…勇気を出した!

「いつも私の事を気にかけてくれて、ありがとうございます。Jガーディアンズで毎日楽しく働けるのも千鳥さんのお陰です。」

恥ずかしくなってきてしまい、視線を落とす。
顔が見れないよ…。

「その、普段は恥ずかしくて…今も恥ずかしいですけど、中々言えないし…、私は千鳥さんが好きなんです。もう言いませんよ。」

…さっき考えてた言葉と違うな…。
頭の中がぐちゃぐちゃになってきた。

「と、とにかく、これ…受け取ってください!」

結局グダグダになってしまった。
勢い良く差しだした袋。
しかし、目の前の千鳥さんは動く気配が無い。
…あれ?
そっと顔を上げ、目の前の顔を見て私は眉を寄せた。

「…顔が、真っ赤です。」

すると、千鳥さんは素早く両手で自分の顔を隠した。
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