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□睡眠不足
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ノックをしても返事が無い。
「おはようございます!失礼します!!」
そう声を掛けてから、そっとドアを開けた。
思った通り青山さんはヘッドホンをつけてモニターとにらみ合っていた。
私の気配に気づいたのか、こちらを振り向く。
「ああ、すまない。」
そして私の顔をじっと見つめる。
「な、…なんですか…?」
恥ずかしいんだけど…。
思わず両手で顔を覆い、目だけ覗かせる。
青山さんは真顔で言った。
「疲労が溜まっているのか?」
「え!?そんな事ないですよ!」
なんで!?これじゃ会う人皆に心配されちゃう!
「先ほど神谷から連絡があったんだ。」
「神谷さんが?」
ああ、…なるほど。
青山さんが気付くとは思えないもんね。
「大村が疲れているようだから気に掛けてやれと言われた。」
「さっき会って、心配されました…。」
青山さんは目を伏せた。
「気づいてやれなくてすまない。私はそういう所が鈍いとよく言われるんだが…、」
「青山さんらしいです。」
私は思わず笑ってしまった。