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□睡眠不足
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「やはり仕事が多過ぎるか?君は文句も言わずに頑張り過ぎるからな。」
「大丈夫ですよ!…それに、私は健康ですから。」

「…そうか。わかった。」

青山さんは立ち上がり、私の両肩に両手を置き、顔を覗きこんだ。
その近さに顔が赤くなっている、はず。

「だが、無理はしないでくれ。…恐らく…睡眠不足じゃないのか?」

あれ…全然鈍くないし…。
鋭く言い当てられてしまったけど、私は首を傾げた。

「…睡眠不足、ですか?」

「とりあえず、今日は図書室で探して欲しい本がある。昼までゆっくりしているといい。」

そう言って青山さんは一枚のリストを手渡した。
…何だか難しい漢字ばっかり。

「無ければ無いで構わない。午後の予定はまた考えておく。」

結局無くてもいいんだ。
今日は一緒に仕事できないのかな…。
自分自身が情けなくなり、青山さんが背を向けた後を見計らい…肩を落とした。






図書室に、頼まれた本は無かった。

…本当に無くてもいいのかな。
私は図書室の隅の机を陣取っていた。
午前中だから、なのか…誰もいない。
部屋は温かいし、静かだし、不思議と瞼が降りてくる。
こんなの…眠くなるに決まってるよ。
私は机に突っ伏した。
青山さんはこうなるって解ってたのかな?
…だったら甘えちゃってもいいかな。
寝れる時に寝ておかないと…、

夜は考え過ぎて眠れなくなるから。





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