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□勘違い
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「…な、何が?」
「んー?何でもないよ。」
これは…バレてる、よね?
どんどん顔が熱くなってくる。
観念した方がいいのか…。
私は声を潜めた。
「あ、あの…誰にも…」
「言わないよ。安心して。」
猿飛くんの顔からニヤニヤが消えてニコニコだけになった。
ああ、助かった…。
すると、いつから居たのか横から別の声が飛んできた。
「二人も昼食か?」
トレーを持っている青山さんが隣のテーブルに座るところだった。
今日、初青山さんだ!!
猿飛くんの視線が気になるので平静を装いつつ、こっそり喜ぶ。
青山さんはちょっと申し訳なさそうに言った。
「すまなかったな、昼休みもゆっくり取らせてやれなくて…。」
「そんな事ないですよ!もうほとんど終わりましたし、猿飛くんに声掛けてもらったので一人ランチは避けられましたから。」
「当然の事をしたまでだよ〜。」
ひらひらと手を振る猿飛くんを、青山さんはじっと見つめている。
「玲ちゃん…どうしたの?」
「いや、」
青山さんはふっと微笑んだ。
「そうか…それなら安心だな。」
そう言って再びトレーを持って立ち上がった。
「今はゆっくり休んでくれ。時間に遅れたとしても、今日中に持って来てくれれば構わない。」
時間に厳しい青山さんらしからぬ事を言い残して、離れて行ってしまった。
あーあ…行っちゃった。