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□雨宿り
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「い、一緒に行きますよ!もちろん!!」
「そうか、では行こう。場所は解るか?」
「…わかりません。」
「探しながら歩いていれば見つかるか。」
青山さんはさっきよりもゆっくりとした歩調で歩きだした。
なんだか…デートみたいだー!!
私の願いが通じているのか、本屋さんがなかなか見つからない。
ふと、青山さんは目の前に現れたクレープ屋さんを指さした。
「甘い物は食べないのか?」
「クレープですか?好きですけど…さっきご飯食べたばっかりですし…。」
「…それもそうか。」
青山さんは頷いた。
もしかして、気を遣ってくれてるのかな?
どうだろう、そうかも、…いや違うかも。
「…無いですね。もう一つ上の階に行ってみますか?」
お店はたくさんあるのに本屋一軒見つからないなんて。
けど青山さんは、
「君がそれで構わないなら、そうしよう。」
そう答えた。
やっぱり気を遣ってる。
遠まわしな言い方に私は思わず笑ってしまった。
「ん?」
「…今日の青山さんは優しいですね。あ、いつもより、って事ですよ。」
いつも優しいもんね。
すると青山さんは気まずそうに視線を逸らした。
「まぁ…せっかく一緒に行動しているのだから…楽しい方がいいだろう?」
「十分楽しいですよ!」
青山さんと一緒だから!