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□好きな人
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私は小さく頷いた。
青山さんは…全く気がつかない。
「あら、アドバイスなんて珍しい〜。よっぽどあきひちゃんが心配なのね〜。」
神谷さんがそう言うのと同時に黒峰さんは寝ていた。
私は青山さんの部屋に戻った。
「神谷の用事は済んだのか?」
「…はい、一応。」
青山さんはキーボードから手を離し、大きく伸びをした。
「黒峰さんに、私の好きな人、気づかれちゃいました。」
「…まあ、あいつは鋭い所があるからな。」
青山さんは笑っている。
私は扉の前から動けない。
「気づいてないのは…青山さんだけです。」
そう言うと、その張本人は不思議そうにこちらを見た。
「私、青山さんが好きなんです。」
ピタリと動きが、時間が止まった。
「青山さんは、私に幸せになって欲しいって言いました。…だから、これからも青山さんの側に居させてください。」
私は頭を下げた。