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□そういうのが大好き
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「私に好きな人ができた、って言ったらどうします?」
「言えるもんなら言ってみろよ。」

そう答えた黒峰さんの表情が…。
ヤバイ、怖い、めっちゃ怖い。
3Xも逃げ出すような恐ろしい顔をしていた。
けれど黒峰さんは呆れたように溜息をついた。

「…お前なら言いそうだよな。」
「私まだ死にたくないですから…。」

黒峰さんはベッドから降りて、大きく伸びをした。

「しかし…どうしたら喜ぶのか、わからねぇな。」

どうやらまだ「大好き」と言わせたいらしい。

「そうですよ、私が喜ぶような出来事が無いと…まずあり得ませんよね。」

「…俺を何だと思ってんだ。簡単な事じゃねーか。」

私は思わず身構える。

「セクハラはやめてください。」

しかし黒峰さんは何も言わずに私の隣に座った。
な、何されるんだろう…?
ふわっと体に片腕を回され、反対の手で頭を撫でられた。
そして私の耳元へ顔を近づける。

「…あんまり無理すんなよ。」

「く、黒峰さん…!」

慌てて体を離す。
不覚にもときめいてしまった。
ずるい。普段の態度とのギャップがずるい。
私、仕事頑張ってるんだ…って気持ちになってずるい。
黒峰さんは何度も頷く。

「認めちまえば…楽になるんだよ。」

…その「無理するな」だったのか。
優しい上司のセリフかと思ったのに。
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