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□迎えにきました
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「なんだか久しぶりに顔を見た気がしますね。」
「そ、そうですね…。」
あれから、九楽さんを探すのを控えてたからね。
「もう二日も会っていませんでしたが…元気そうで安心しました。」
九楽さんは笑顔でそう言った。
二日…確かにそうなんだけど、なんで二日って知ってるの?
あれ?それって普通?そんな些細な事、覚えてるものなの?
ぐるぐると疑問が頭を埋め尽くす。
けれど九楽さんはいつもの穏やかな口調で続ける。
「…今日、もしよろしければコーヒーでも飲みに来ませんか?大村くんの好きなチョコレートがあるんです。」
「え!!…いいんですか?」
しかし疑問も吹っ飛んでしまう。
やった!
もう仕事も終わったし、こんなに嬉しい事があっていいんだろうか。
「ええ。ゼロは千鳥長官とホラー映画を見ると言って既に居ないんですよ。」
「そ、そうなんですか…。」
急に胃がおかしくなる。
ふ、二人っきり…って事だよね。
まぁ、でも、よくある事だし…、普通にしてれば…、
「私と二人っきりなんですが…それでも良ければ、是非。」
九楽さんはにっこり微笑んだ。
流石に私は固まってしまった。
ど、どうしよう、何か言わないと!
「…はい。…う、伺います…。」
「それは楽しみです。二日も大村くんの声を聞いていませんでしたから…とても寂しかったんですよ。」
二日も会ってないから…刺激が強すぎるよ…。
やっぱり控えるのはよくないんだな、と自分に言い聞かせてみた。
心臓にも悪いし、やっぱりいつも通りにしていよう。
オワリ.