メノス
□温度差
2ページ/2ページ
すると次の瞬間、ダークは私の肩を引き寄せ、身を屈めた。
「伏せろ…!」
近くにあるダークの顔には焦りが伺える。
小声で言った。
「誰かにつけられてるんちゃうか?」
「そんな事は…、」
誰にも言わずに出てきたのに…。
…バレたらどうしよう。
気配は無くなったらしく、ダークはゆっくりと体を起こした。
私の肩に回した自分の腕に気付き、慌てて離す。
「いや!その!……すまん…。」
「ううん、大丈夫。」
ダークは視線を逸らして黙り込んでしまった。
「…ダーク?」
「や、なんて言うか…、」
背を向けられる。
「温かいな…。」
機械の腕は冷たかった。
私がその手に触れるとダークは小さな笑い声を漏らす。
「…やっぱり機械の体は最高や。」
「え?」
「……温めてもらえるやろ。」
そう言って恥ずかしそうに笑った。
オワリ.