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□おねだり
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子供みたい!
千鳥さんはちらっと私を見下ろした。
「…お口が寂しいなぁ。」
お口…って。
「もう食べる物持ってないんです。」
「またまた〜、」
私は空いている方の手をポケットに入れた。
「こんなトコロに飴がありました。」
「…わざと?だよね?」
とても不満そうに目を細める。
「千鳥さん、もう戻らないと…。」
時計を見て私がそう言うと、手は離さずに千鳥さんは立ち上がった。
「あきひさんから…して欲しいんだけどなぁ。」
「…レベルが高過ぎます。」
目を逸らしてそう答えた。
「ふむふむ、レベル上げが先か…。」
顎に手を添え、深刻そうな表情で千鳥さんは呟いたのだった。
オワリ.