3
□おやすみ
2ページ/6ページ
「…丁度良かったな。おい、お前の大好きな大村が来たぞ。」
…え?
「なっ、ばっ!!何て事を言うんだ!あきひには、ちゃんと…!」
顔を赤くした赤木さんがうろたえる。
「ああ、わかったわかった…だからもういいだろ?」
「良くない!」
どうやら黒峰さんは赤木さんにお説教されてたみたいだ。
「煩い男は嫌われるぜ。」
「えっ!?」
赤木さんが素早く私を見つめる。
「あきひは…声が大きい男は嫌いか!?」
「…普通です。」
私の答えを聞くと、何故か勢い良く立ち上がった。
それには目もくれずに黒峰さんが言った。
「…何か用があったんじゃねぇのか?」
「普通で良かったー!!!」
赤木さんが叫んでいるけど、私はとりあえず空いてる椅子に座った。
「いえ…用は無いんですけど…、」
暇だ、とも言いにくい。
黒峰さんは低い声で笑った。
「…長官に捨てられちまったのか、可哀相に。…俺が優しく慰め」
「長官に捨てられた!?」
赤木さんが身を乗り出す。
「千鳥さんは実験で忙しいんです!それに…、」
思わず口を押さえる。
声が大き過ぎた。
「…千鳥さんは、そんな事しません。」
すると赤木さんは小さく息を吐き出して座り直す。