3
□負けられない戦い
2ページ/7ページ
「あ!」
私はキーボードの手を止めた。
…お昼ご飯、食べてないよね。
探しに行こうか迷っていると、ドアがノックされた。
返事をする前にドアが開き、入ってきたのはジェームズさんだった。
「…千鳥長官はいらっしゃいませんか?」
「さっきまでは居たんですけど…私が出掛けている間に居なくなってしまったんです。」
私の答えにジェームズさんは何か考えているようだった。
そして私に一枚の書類を渡してきた。
「では、これを渡しておいてください。」
「あ、はい。」
ジェームズさんは紳士の笑みを崩さずに部屋を出て行った。
…また何か言われるのかと思った。
書類の内容は気になるけど、見ないようにして千鳥さんの机に置いた。
でも、ちらっと見えた文字が「スケジュール」だった。
……悔しい。
私は立ち上がり、ダッシュで格納庫へ向かった。
息を切らして格納庫へ入ると、鼻歌が聞こえてきた。
しかし、私の気配に気づいたのかそれが止む。
「黒峰さん!今日はご機嫌なんですね。」
「…俺の鼻歌を聞いたのか?」
しまった。機嫌が悪くなってしまった。
黒峰さんは愛車をいじくりまわしている手を止めた。