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□サンタクロースの生態
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「わ、私だってジェームズさんには負けません!!」
むむむむ、と睨み合う。
千鳥さんは大きく頷いた。
「じゃあよろしく頼んだよ!夕方頃に図書室に集合だ!!」
そう言うと白衣を翻して部屋を出て行ってしまった。
…あれ?仕事は…?
ジェームズさん、居ないな…どこに行ったんだろ。
私はきょろきょろと辺りを窺いながら図書室へやってきた。
千鳥さんはアナログだから、本を探した方がいいよね。
でも大人向けのサンタクロースの本なんてマイナーだから…子供向けの本なら種類が多いだろうし、良さそうなのを厳選しよう。
そして夕方。
約束通り図書室へやってきた千鳥さんに、サンタクロースの日常が書かれた本を数冊渡した。
千鳥さんが来る少し前に現れたジェームズさんは、クリップで留めてある書類の束を千鳥さんに手渡す。
「サンタクロースの目撃情報などをネットで集めてみました。」
ネットで!?一体どんな目撃情報があったんだろう…。
っていうか、本当にそれってサンタクロースを目撃したのかな…
居るのかな、サンタクロースって。
「どれどれ…。」
千鳥さんは素早く書類をめくり、気になる目撃情報とやらを読んでいる。