証
□房咲水仙
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『梵 梵天』
そう俺の名を何度も呼ぶやつがいた。俺の名前は梵天丸だと何度伝えても
『梵は梵だからいいでしょ』
と、訳の分からない反論をして俺を梵と呼ぶのを止めなかった
『梵天、何で泣いてるの?どこか痛いの?大丈夫?』
まれに見るお人よしで、いつもいつも俺の心配ばかりしていた。
『梵天。梵天は普通じゃないよ』
病で目を侵された時 この言葉を聞き 死ぬほど心が痛んだ でも
『梵天はね、普通じゃなくてカッコイイよ。だって、小十郎さんに目切られた時泣かなかったでしょ。うん、梵天はCOOLだね』
次の瞬間、アイツはそう言って微笑んだ。
その頃はCOOLの意味は分からなかったがほめられたのは分かった。
アイツの笑顔を見た瞬間大泣きしたのを覚えている。
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