夢語り

□花火
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美しい光が咲きます


――まるで、あの人のような――



美しい光が散ります


――まるであの人のように――





力強く咲く光

――それは いつも笑っていたあの人のようで――



儚く瞬に散る光

――それは あの人の最後の笑みのようで――




私は泣きべそをかきそうになるのです。


空に咲く大輪にあの人を重ね合わせてしまって。



力強く鮮やかに咲く光は
いつもそばで笑っていたあの人を思い出させ



一瞬で散ってしまう光は
自分を貫いてイッてしまったあの人を思い出させるのです。




私は―――



きっと、あの人を想っていたのでしょう。


   モノ
そんな感情とうに消えたと想っていたけど




きっと・・・・・・愛していたのでしょう。




だから私は見上げるのです。



空に咲いては散る光を

泣きそうになりながら

あの人を思い出すために。



いつか永い時の中で

この記憶を薄れるでしょう

この想いすら消えるでしょう




それでも



私はきっと



空を見上げることだけは止めない。




ねぇ、あなたもそう思うでしょう?



「道徳」



まだ、あなたの笑顔は消えない。




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