●青の祓魔師
□存在意義。
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「また、子どもさんできひんかったらしい…」
「これでうちは6人、そっちは3人目……腹を痛めて子を授かるんは女しかできひんから妻に申し訳ないなぁ」
少し欠けた月が昇った夜
京都の寺で交わされた会話は血統を頑なに守る今の世では考え難い「明陀」の決まり。
今年こそ、座主の血を受け継ぐ子を授かる。
そう宣言されて、志摩家も7人目の子を授かる準備を始めた。
少し遅れて、妻の体が弱くこれ以上の出産は無理と宣言された宝生家の代わりに、まだ若い当主が率いる三輪家が新しい座主の「幼なじみ」を授かる準備を始める。
次期座主になられる子を常に御護りするために生を受ける子供。
志摩廉造
三輪子猫丸
そして次期座主の勝呂竜士
青い夜、が起きたにも関わらず明陀に3つの新しい命が生まれた。
次期座主の勝呂竜士
三輪家当主の三輪子猫丸
血を引く勝呂と青い夜により生まれた瞬間から三輪の当主となった子猫丸。
特別な存在の2人。
―替えが利かない大切な2人。
それに対し
7人兄妹5男の志摩廉造
護る義務を強要された子。
―替えが利く、駒である子。
元来、次期座主を護るという重圧を2つに分けて軽減させるのが明陀の知恵であった。
今までの志摩と宝生が行ってきたように…
しかし、今回は訳が違う。
全ての重圧が幼い子供ひとりにのし掛かる、という結果になった