BOOK
□嘘の日
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「こんなに簡単に見つかっちゃうなんて、お得〜」
私達は薬草を簡単に見つけ出し、依頼人のもとに届けて、ギルドに帰っている。
「・・・。」
「どうしたの?グレイ、さっきから無口だけど・・。」
「俺・・・お前のこと大嫌いだ。」
・・・・・・・・・・・・は?
「何言ってんのよ?」
私は聞き返した。
「お前のことが嫌いだ。」
そんなこと・・真面目な顔で言わないでよ。
ここまでグレイが冷たい人なんて思わなかった。
「・・・サイテー。」
その言葉だけを残し、私は無我夢中に走った。
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い
ツーッと頬に暖かいものが流れてきた。
バカみたい・・。なにあたし泣いてんだろ。
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「ウッ・・・ぐす。」
どんだけあれから泣いたんだろ。
眠い・・・・。
コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
こんな時間にだれ?
「だれ・・・?」
開かれた向こうにいた人物は・・・・・・・・グレイだった。
「!?な・・何しにきたの?」
私は泣き顔を見られたくなくて、布団をかぶり後ろを向いた。
「誤解を解くために来たんだ」
誤解?
「今日何の日か分かるか?」
え?今日は・・・・・・・・・・4月1日。
「!」
グレイがこっちに歩み寄ってくる気配がした。
「今日は・・・・・エイプリルフール。」
私は後ろを見た。
すぐ後ろにグレイがいた。
「すまねぇ。ホントはルーシィのこと・・・・大好きだ。」
グレイからキスされた。
「そんなに泣いて・・・・ショックだったか?」
「ち、ちがうもん!」
嫌いにはなれない。
やっぱり私はあなたが好き。