look for oneself.

□I do not see the future.
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 ――― I do not see the future.




 やりたいこと。夢。未来。

 中学生、高校生。あの頃の自分には、明確な将来設計が見えていた。それは夢へと登る為の階段で。

 躓くことなくその階段を上がって行けると思っていた。


 現実は、私に冷たい。


 成人が近付く年頃。確かに彼女の中に存在していた明確な将来設計が、崩れていった。それはすごく脆い階段で。積み上げるのには時間がかかるけれど、崩れ去るのは簡単だった。

 学生の頃って、自分の夢が叶うものだと、当たり前の様に思っていた。


 彼女には大きな夢があった。

 周りはそれを小さい夢だと嘲笑うかもしれないけれど、彼女にとってはとても大きな夢だった。

 今の若者には珍しく、彼女には中学生のころから自分の将来したいことを見つけ、未来を見据えていた。

 そうなるにはどうすればいいのか。


 高校生までは夢に近付く為に、順調に階段を上がっていた。スキルも磨いた。努力もした。しかし卒業後、未来はパタリと見えなくなった。


 やりたいことがあったはず。

 あれ?私って本当にそうなりたいの?

 私、今そこからとってもずれている気がする。


 運の良い人、将来設計を真剣に考えていた人。そういう人達は、着実に階段を上がっていく。

 その頃の彼女の将来設計は、とても漠然としていて。将来設計が崩れた途端、ずっと追いかけてきた夢さえも、見えなくなってしまった。


 彼女は自分の未来設計とは少し、いや大分ずれた生活をおくっていた。高校生活が有意義すぎた為か、真剣に次のレベルアップを考えていなかったのだ。


 なんと無駄な二年間だろうか。


 あと二年で成人。親に頼れる最後の二年間をなんと無駄にしたことだろう。

 彼女は努力を止めた。

 するとますます分からなくなる未来。何もしないままに月日だけが流れていく。


 そしてふと気付いた。


 自分が本当にやりたいことなら、今それに反することをしていても、その間をぬってでも努力するのではないだろうか。


 今の自分はなんと格好の悪いことか。


 それに気付いても何もアクションを起こさない。そんな私って本当にそうなりたいのかな。

 私が必死に追いかけてきた夢は、私の中でこんなに小さいものだったのかな?


 ワカラナイ。ワカラナイ。


 分からないなら、今自分がすべき事をとりあえずでもやるべきではないだろうか。

 それはとても苦痛を伴った。今思えば、全てが自身の"捉え方次第"であったのに。


 その時の彼女にはまだ、明確な未来設計は築けなかった。






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