sky

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「…おい、バロン起きろ…。…起きろバロン・ブレッド…!」


 夜の闇をつらぬいて風が唸りをあげる。真っ暗闇の中、光は月だけ。その光りが異様なくらい明るく感じて、バロンはハッと目を覚ます。

 激しい光りに目を細めながら、体を起こし、目の前で光を放っていた物(懐中電灯)をぐんと押し返し、先ほどの声の主を不機嫌いっぱいに睨んだ。


「なんだよブル!!」

「シーッ!!静かにっ!!見つかるだろ!?」


 その一言に口を抑え、二人で体を低くして近くの岩に近寄り、岩影に隠れる。そして、そーっと岩影から顔を出し、隣にいるブルこと、ブレイブ・ブルの視線の行く先を見つめた。

 そこには、3匹の黒い影。EXだ。


「敵なら敵ってはやく言えよっ」

「バロンがいくら言っても起きないからだろ…!?」

「それは悪かったって」


 ひそひそを声を殺してブルと会話をしながらも、視線は外さない。ゆっくりと、腰のホルダーに入った銃を取りだし、銃口を地面に向けたまま、様子を伺う。

 敵はキョロキョロ辺りを見回りながらこちらに向かってゆっくり歩いてくる。見つかるのは時間の問題だ。


「3匹だけか?」

「そのようだね。何とかなりそう。」

「なら、さっさと片付けよう。」


 岩に背をピタリとつけて視線を合わし、頷きあってボルトを引きグリップを強く握った。

 1…2…3…っ!!




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