sky

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 【私を…許しておくれ…】

 【お前だけが頼りだ。私の大事な…シェリー…。】


 ハッ!

 …なに…今のは…誰なの…。



 むくりと体を起こす。頭が痛い。シェリーは頭を押さえた。ゆっくりと、自分のいる場所をみる。いつものあの固いベットの上じゃない。ここはどこなの…。

 寝起きで回らない頭を必死で覚醒させ、よく辺りを観察した。小さな小部屋…最も、自分の居た場所よりは遥かに広いが。

 机と椅子、小さな本棚。そして自分の居るふかふか…とは言えないが、柔らかいベットだけの殺風景な室内。辺りは薄暗い。

 一体なにが起きてここにいるのか思い出せない。シェリーは必死になって記憶を辿った。見たことのない男の子が…。…そうだ。男の子が私に銃を向けていた。…やっと楽になれる、そのはずだった…。

 ふと、視界に扉が入った。木製の扉。シェリーはゆっくりとベットから降りて、その扉に近付こうとし…違和感に気付いた。体が軽い。足下に視線を向けると自分を拘束していた鎖がない。かわりに、足枷がはめてあった部分に形が残っている。あの、重い鉄球もついていない。

 軽くなった自分の体に嬉しくなったシェリーは、踊るようにして部屋の中を歩いた。そして、扉をゆっくりと開けた。




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