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「シェリー、まだ起きてたの?」
シェリーは、ここに来たばかりの時のように、ベランダの柵の部分から足を出してじっと外を眺めていた。そんなシェリーを自室に戻るところだったバロンは見つけて声をかけた。
「勝手に部屋を出ては行けなかった?」
顔をこちらに向けぬままそう呟いたシェリーの隣にバロンはどさっと座り込み、
「かまわないよ。あまりうろうろしては行けないけどね。」
と、答えたが、シェリーはここへ来てから、このベランダに来る以外で部屋の外へ出ることはなかった。
シェリーを連れてきてから3日がたっていた。連日、シェリーの処遇を決める会議が続いていたが話し合いはうまく進まなかった。
幹部達の中には捕虜にしてようと言うものと、王族への見せしめに殺してしまおうと言うものもいた。
そして少数だが、バロンに賛同して彼女をよく調べてから事を決めようと言うものもいた。
先ほどまで、白熱した会議を行っていたのだが、結局今日も話はまとまらずに、明日へと持ち越された。
だが、長々と先伸ばしに出来る議題ではないため、明日には結論をだすことになった。
バロンは不安になった。このままでは捕虜か射殺になるだろう。捕虜扱いになれば、監禁状態になるため、シェリーは牢獄に逆戻りになる。ただ、場所が変わっただけ。それはあまりにもシェリーが可哀想だった。
敵かもしれない彼女に何故、情けをかけるのだと、何度も言われた。確かに、その通りだった。だけど、彼女には何か大きなを感じる。説明は出来ないけれど、何かとてつもないもの。それにあの涙は…嘘じゃない。
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