sky

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「シェリー…。君は一体何者なんだ…?」


 バロンのその言葉に少女、シェリーは口を閉ざす。困ったような顔のまま何も言わないシェリーを見つめ、バロンは言い方を変えてみる。


「…君はいつからあそこにいるの?」

「…分からない。気が付いたら時から。」

「…それからどれくらいあそこに?」

「ずーっと子供の頃からよ。」

「どうしてあそこに捕まっていた?」

「さっきから質問ばかりね。」


 その一言にバロンは口を閉ざす。幽閉されていたシェリーを連れ帰ったバロンには、彼女をよく知る必要がある。それに、EXがあそこに居たのにシェリーを殺さないでいたのも気になる。あの化け物なら鉄格子を壊すことくらい雑作もないことなのに。

 ちらっと隣を見るとシェリーはずーっと上を見上げていた。


「…何を見ている?」

「…空。…すごく…綺麗…。」


 バロンは空を嬉しそうに見上げるシェリーを見て、表情を険しくした。ずっとあの地下に居たのなら、空も見えない。光は小さなランプだけ。

 自分なら…。そう思ったと同時に、バロンは少し嬉しくなる。連れ出して、よかったのかもしれない。

 たとえ、敵であったとしても…。




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