sky
□02
3ページ/10ページ
「シェリー…。君は一体何者なんだ…?」
バロンのその言葉に少女、シェリーは口を閉ざす。困ったような顔のまま何も言わないシェリーを見つめ、バロンは言い方を変えてみる。
「…君はいつからあそこにいるの?」
「…分からない。気が付いたら時から。」
「…それからどれくらいあそこに?」
「ずーっと子供の頃からよ。」
「どうしてあそこに捕まっていた?」
「さっきから質問ばかりね。」
その一言にバロンは口を閉ざす。幽閉されていたシェリーを連れ帰ったバロンには、彼女をよく知る必要がある。それに、EXがあそこに居たのにシェリーを殺さないでいたのも気になる。あの化け物なら鉄格子を壊すことくらい雑作もないことなのに。
ちらっと隣を見るとシェリーはずーっと上を見上げていた。
「…何を見ている?」
「…空。…すごく…綺麗…。」
バロンは空を嬉しそうに見上げるシェリーを見て、表情を険しくした。ずっとあの地下に居たのなら、空も見えない。光は小さなランプだけ。
自分なら…。そう思ったと同時に、バロンは少し嬉しくなる。連れ出して、よかったのかもしれない。
たとえ、敵であったとしても…。
・