sky

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「怒ってるの…か?…連れ出しては行けなかった?」


 シェリーはバロンを見ようとはしなかった。バロンはそんなシェリーを、ただただ見つめた。


「それは私が決めることじゃない。」

「なぜ?…シェリーはずっと1人であの場所に居たかったの?」


 あの自然の光が決して入ることのない、小さな牢獄に君は居たかった?そんな訳がない。俺は知ってるんだ。君が外の世界を見ることが出来る喜びを噛み締めていることを。

 だから、こうして空を見つめているんだろう?


「…私は孤独であらなければならない。それはどこに居ても変わらない。」

「…本当にそう思ってるの?…シェリーの本当の気持ちが知りたい。」

「…私はそうあらねばならないの。」


 そう言ったシェリーの表情は金の髪に隠れて、見えなかった。だけど、シェリーが無理矢理にそう言っているようにバロンは感じた。自分にそう言い聞かせている様なシェリーの言い方にバロンは胸がぎゅーっと苦しくなった。

そしてバロンは純粋に彼女をもっと知りたいと思った。レジスタンス二番隊隊長としてではなく、バロン・ブレッドとして。敵としてではなく、彼女自身を知りたい。


 君が何を望むのか、教えてよ。

 あの小さな世界で何を感じて何を思って生きてきたのか教えてよ。



「…俺は君の力になりたい…。」


 バロンの純粋なその言葉に、シェリーは何も答えなかった。





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