貴方といると不幸になる
□手加減し忘れた感情
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「好きです!!付き合ってください!!」
これは、ドッキリだろうか。
違うのだろうか、
だって彼は───
『さて、次の授業は体育だな。』
友達は委員会終わった後そのまま行くとかで、お昼休み後の最初の授業体育は私が一人で行くことになった。
ギリギリになったら行こうと、だんだん人が少なっていく教室を眺めてながら携帯を見ていた。
「体育、今日は幸村くんと柳君と一緒だよー!」
「見なきゃ見なきゃ!」
廊下側から聞こえる幼馴染の名前と柳君の名前に相変わらずモテるね。と苦笑した。
その声が遠ざかってから窓側に視線を移す。
友達はもう体育館に着いたのだろうか。
教室の上にある時計を見れば、あと15分で昼休みは終わり、授業が始まる。
そろそろ行くか。
めんどくさいながらも、椅子から立ち上がり、廊下に出る。
「あ、あの!」
後ろから声が聞こえたが、その言葉は私に向けられたものだろうか、いや違う。
無視を決め込み、そのまま体育館に足を動かす。
「.....瑠伽先輩!!」
嗚呼、確実に私に向けられた言葉みたいだ。
振り向けば、見たことがある人。
「少し、お話が合って....」
振り向いた私の目を射抜くように見る彼の名は・・・・
『いいよ?別に。』
「ありがとうございます!」
切原赤也。
立海大高等部テニス部1年レギュラーの男だった。