貴方といると不幸になる

□意識したくないの
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──「告白だよ」




私の髪を梳かしながらそうつぶやく彼。

なんかだかすごくきれいに見えて、ドキッとしちゃって・・・・





『うわぁああぁぁぁぁああぁぁ!!!!』




まじで叫ぶ5秒前。
いやもう叫んじゃったけど!!


ドキって何!?
これが意識し始めたってこと!?
思考がぐちゃぐちゃの放心状態の私を置いて、言い逃げした精市。


そこから私は発狂せずにはいられなかった。


嬉しいとかじゃなく、どう話していいか、今までどういう事していたのか分からなくなっちゃって。






『今日から精市と顔が合わせられない・・・。』


昨日の出来事のせいで夜も眠れず叫ぶところだった。


せめて今日ぐらい休日にしてくれ。お願いします。誠実に。






学校でミーハーの振り出来るのか!?
精市見た瞬間私逃げ出すと思うけど!?



精市の思惑通りに意識している自分が恥ずかしい。



もういっその事、引っ越したい・・・・沖縄の方まで。






「学校よー!!おきなさーい!!」



よし、最終手段だ。




『げっほごっほぼほぼほごっごげぇ・・・げぇ・・・おがあざんわだじ学校いげないげぇっほげぇげぇ』






「・・・・・そんなのどうでもいいから早く行きなさいー!精市くんが玄関で待ってるわよ。」




どうでもいいですって!?娘を!?ひどい・・・!!





『は?』



待て待て待て、問題それより大きかった!!
精市がいるってどういう事!?いやほんと解読求ム






「瑠伽、行くよ。」






『ぎゃぁあああぁぁ!!!くんな見るな!私は今から沖縄に行くんだぁああぁぁぁ』



光ってるよ!キラキラしてるよ!どうした私の視界!何が起きた視界!





「はぁ、あ、おばさん後は任せていて。あと連れて行くから。」




「よろしくね、精市君。」





『マミー!!待って!一人にしないでぇええええ!!!』




私の叫びも綺麗にシカトする母、キラキラと笑顔で私の前に立っている精市。


私は毛布をかぶって勢いよく顔を隠した。






「・・・・・瑠伽、そんなに意識しちゃって、可愛いね。」




『・・・っ!してない!』





「嘘つき。じゃあ毛布剥がして俺の顔を見てみてよ。」







なんつー魔王様だ!!!いいからさっさと部活行けよって!




『ぶ、部活遅れるよ!早く行きなよ。』





「瑠伽が顔見せてくれたら行くよ。」








『っ!!』



なんで、いつも精市の顔見てるじゃん。
どうして今日に限ってみるのが恥ずかしいの。
なんで、物心ついた時から見慣れている顔なのに、今更恥ずかしいなんて・・・・!





「ねぇ、早く起きてよ。」




毛布越しなのに的確に私の耳元で精市の声が呟かれる。



『せ、精市は・・・・そーゆー動揺とかないの?』




「・・・・・・ないわけがないだろ。俺だって、」



小さくつぶやかれる言葉に毛布を取って精市を見た。
なんだか声がとても悲しそうで。





『精市?』




「余裕なんて・・・・本当にないんだよ。」





『ごめん・・・気づけなくて。』



「・・・・・・」



どうしよう。なんかシリアスになっちゃった。
精市が私の前にたちながら俯いて何も喋らなくなっちゃった。




『えっと・・・その、なんていうか。』




「まぁ、嘘だけど。」



『はぁ!?嘘ぉ!?じゃあ告白も?』


チクリと何かが刺さったような気がする。
まじで私どうした。やっぱ沖縄行くべきなのか。


「それは、本当。はぁ、本当鈍いよね。いろいろ。」



『鈍いってどういうこと!?・・・まぁ、否定しないけどさ。』
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