逢わせ物。

□少しの慣れ
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『これ、涼介兄ちゃんの洗濯物。』



「ありがとう。」




『これは、啓介兄ちゃんの。』



「ああ。」





この家に引っ越してきて1週間と半分が経った。


慣れ、というのは恐ろしいものだ。


敬語使うのもなくなったし、兄ちゃんって呼ぶのも慣れた。



新しいお義父さんは優しい人で、話しやすくてよかったと心から思っている。


今はリビングで乾いた洗濯物を二人に渡していた。

「そういや、今日人が来るんだけど。一緒に居てくれないか?」




『人?』


なんで涼介兄さんの知り合いに私が一緒に居なきゃいけないんだ。




「あぁ、俺たちのメンバーで、これから何度も会うことになるしな。」





『んー、まぁいいよ。』





「もうすぐ来ると思うんだが。」



ピンポーン




涼介兄ちゃんの言葉と同時になるチャイム。



「俺が開ける。」


啓介兄ちゃんは即座に立ち上がり玄関へと向かった。



「啓介さんー!!」



「おー来たか!上がれよ。」



「おじゃましまーす。」




....なんだか、喋っている声が聞こえてくる。


聞いたことあるような声・・・・なんだか嫌な予感が。





ガチャッ




「こんにちはー!涼介さん!」



この顔・・・この声・・・・肌がやや黒い・・・





「あぁ、紹介するよ真琴。彼はけん..真琴!?どこに行く!?」



「...え、真琴?」




紛れもなく賢太だったので、逃走しました。
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