貴方といると不幸になる

□手加減し忘れた感情
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「好きです!!付き合ってください!!」




今の私に合う言葉はポカーンだろう。


次の授業まであと5分。
此処からだと走れば何とかつくかもしれないが、





それどころじゃない!!




私は切原くんに話があると言われ、裏の校舎の方にきた。


何を言い出すと思えばこれだ。


待っていろいろと待って!とりあえず主語を言え!


いや、これが主語か!?



まさか罰ゲーム?ドッキリ?
なにがあって、このモテる部活に入部している切原くんに私は告白されているんだ!?



『そ、それってつまり私が好きって事?』




「そうっす!」




若干顔を赤くする動作はどうも演技には見えない。



『ど・・・して私?私がミーハーな事分かるよね?』



私を知っているならば、私が友達たちと一緒にきゃーきゃー叫んでるところ見たことあるはずだ。




「わ、分かってたんスけど・・・でも、こうやって今俺が告白したら本当のミーハーなら、すぐにOKって言ってくれると思って、だけどやっぱり先輩は違うじゃないですか!一人の時はテニス部とすれ違っても、見もしない所見たんスよ!!だから顔だけで見てないんだなというか...あぁ、もう!とりあえず俺は先輩に一目惚れしました!!!」







『・・・・・』



以前、精市が、後輩が勝ち上がってレギュラーになった子がいると言ってた。
それは赤也という男で。
つねに精市は私に、馬鹿也が、あの馬鹿也がね?とか、時にはワカメが、とか言うほど聞いていて馬鹿な後輩なのねという印象しかなかったが。



目の前に居る男はその馬鹿な赤也くんなんだろうか。

私がミーハーぶってる所がバレている。
そこまで、私を見てくれる人がいたんだとか思うけど、やっぱり付き合うとかは違う気がする。

だけど、付き合ってから相手を好きになってくという論理も在った筈だ。





『っ・・・・・』
ここはどう答えればいいの?






「あれ?赤也こんなところで....瑠伽?」



校舎裏陰から精市が現れた。
なぜこんな人気の無いところに居たのに気づいたんだろう。


偶然ここを散歩してたとか?
それとも同じ告白スポットとして使いに来たとか。






『すこし、赤也くんとお話ししててね。』

「ふうん?」

私の方まで近づき聞いてくる精市に答えると今度は赤也くんを精市が見た。
赤也君の方向に顔が言ってるため私から精市の顔は良く見えないが、だんだん赤也君がすこし青くなってる気がした。

急に具合でも悪くなったのだろうか。

「ちょっと、俺また後で先輩の所行きますね!!」



『ちょっ赤也くん!?』





いきなりだったもので止めようと声を荒げたが、彼は風のごとく走り去っていった。





「さて、瑠伽。君には二つ選択を与えよう。」




静かに言い出した精市の顔を見れば、煌びやかに笑っていた。


その時思った。嗚呼、私は今死の選択を責められていると。


聞いたらまずい、いかん!にげるぜよ!私!!




『やっば!もう時間ねぇ!!急いで体育館に行かなきゃ!!』


と、多少大きめの声で独り言を言う。



精市の横を抜け足に力を入れて地面を蹴った。



がしっ




いや、蹴りたかった.....泣







「逃がすとでも?俺と一緒に体育館に向かうのと、家で、今、此処で、何を、していたのか。細かく説明する事を誓った上で、ばらばらに体育館に向かうのとどっちがいい?」






『ははははは話します!!絶対!だから一人で行かせてください。お願いします精市様。』



そんなん答え一つに決まってるだろー!ばっきゃろ幸村精市!てめぇなんか真田幸村と呼んでやる!!いや、真田くん巻き込んでごめんなさい。






「約束、守らなかったら放送で瑠伽は俺の彼女だと嘘を流し、苛められる瑠伽を笑顔で見届けるから宜しくね?」




『約束守ります!!はい!絶対です!』



むしろこれ、脅しのレベル高いよ。
だけど精市とかやりかねないよ。まぢで。




その場からやっとの事解放されて、私をチャイムの音を聞きながら体育館に走った。
後ろを振り向けば精市はまだその場に立っていた。




それよりも・・・なぜ、私がこんなに脅されたんだか。


理解できなくて体育時間中はずっと悩んでいた。
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