novel

□unknown:2
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私がこの事務所に雇われた理由。それはこの事務所の、表向きには助手である彼が「魔人」だということを知ってしまったから。ではない。

「何を考えている」

「うわぁっ!?」

「別に貴様が我輩のことを知ってようがなんだろうが、我輩には関係ない。ただ、」

別に、言わなくてもわかってるじゃん。

「ただ?」

「影が薄いから」

「………」

彼はいつも私のことを存在感がないとか影が薄いとか、とにかく貶してくる。
でも確かに今まで潜入捜査を手伝った時に疑われたり変に身分チェックされたことはない。……私ってそんなに影薄いのかな。
軽く凹んでいると、ネウロは私の隣に腰をおろした。

「さて、今はお前を除いて僕共がいないわけだが」

「え?……あれ!?」

事務所を見渡すと確かに誰もいない、茜ちゃんすらいない。前回の一件があってから、私はネウロと二人きりになるのを全力で避けてきた。なのに……

「なんで置いていくのよ、弥子ちゃんっ!!」

「我輩が2号と茜と共に捜査に向かわせた。気づかなかったのか?」

「ボーッとしてた…」

「貴様が悪いな」

「なんでっ……っ!」

ネウロの顔が目の前にある。近い、近すぎる。

「やはり、お前を見てると何とも言えないぐらい襲いたくなる」

「襲う!?」

魔人に襲うなんて言われたら食われるとか殺されるとか想像するんだけど!

「食いもしないし、殺しもしない」

「ちょっ……んっ…!」

耳に舌を這わされたかと思うと、乱暴にソファに押し倒される。

「ネウロ!?」

「ここまでされれば究極に鈍い貴様でも理解できるだろ?」

「ちょっと…キャァッ!!」

服を乱暴に引き裂かれ、上半身は下着一枚。焦りからか、汗が全身から吹き出た。

「我輩は貴様を抱く」







「やぁっ…ぅ…ん…」

「嫌なのか?そうには見えないが」

「はぁっ…ぁっ…アァッ…!」

いつの間にやら全裸でソファに横たわっていた。宣言通り、ネウロは私を抱いている。彼からの執拗な刺激に意識が朦朧としてきた。

「ここはそんなにいいのか?」

「アァァッ…やっ…ちょっ…ネウロッ…ダメだってばぁっ…」

秘部の敏感な部分を指でこねるように刺激され続け、イキそうになっては止められるということをずっと続けられている。

「もうだめっ…ネウロ…おねがっ…」

「止めてほしいか?」

「はぁっ…アァッ…止めてぇ……」

「よかろう」

指を止め、私の頬にそっと唇を落とす。その行為にネウロの中にあるわずかな優しさを感じた、が、

「ゆい」

「なに……?」

「―――」

「え、なに?聞こえなっ…んんんっ!!」

ぐっと自分の中に熱い何かが入り込んできた。それはすぐにネウロのものだとわかった、でも

「やぁっ…ふっ…いたぁっ…」

「なんだ……初めてか…?」

私はこういう経験がなかった。そのため痛みが体を襲う。

「抜いてっ…おねがっ…んんんっ…」

「大丈夫だ……」

「ぅぁ…」

いきなり強くと抱き締めらる。耳元でネウロの荒い息使いが聞こえてきた。ネウロも余裕がないのかな…。

「我輩も鬼ではない…仕方ないから…優しくしてやる…っ…」

「ネウロッ…」

「これを飲め…少しはラクになるだろう…」

ネウロがどこからともなく小さなカプセルを出し、私の口に入れた。甘い…、

「なにこれ…?」

「催淫剤のようなものだ、魔界の」

「魔界の!?大丈夫なの?」

「大丈夫だ、ただ…」

「ただ?」

「速効性があって、効き目が長いのが利点であり難点だな」

「んんんっ!」

さっきまで痛みしか感じなかったのが、すぐに感じたことのないような感覚に変わる。

「動くぞ…」

「ふっ……アァァァッ!…やっ…ネウロッ…ダメェッ…!」

「っ…少し…きつくないかっ…?」

ゆっくり動くネウロは、少し眉をひそめて苦しそうだ。

「はぁっ…ネウロ…熱いよぉっ…中が…熱いよっ…」

思わず口走った言葉にネウロが動きを止めた。

「ゆいっ…貴様っ…正直悔しいんだがっ…」

「な…にぃっ……」

「可愛い…と思ってしまった…」

「そっ…んな…はずかしっ…」

「今更恥ずかしいも何もないだろ……こんなことしてるんだぞ」

「んぁぁぁっ!」

ネウロの動きが激しくなり、ラストスパートをかけているのがわかった。

「やだっ…アッ…ネウロっ…イッちゃぅっ…もうっ…だめっ」

「好きにしろ」

「アァッ…アッ…あぅっ…あぁぁぁっ!」









「腰が…腰が…立たないよ…」

「貴様がまだだまだだとねだるからだろ。魔界の催淫剤の効果はそんなにきつかったか?」

「きついもなにも…」

イッてもイッても物足りなく感じて効果が切れる(というか意識をとばす)までずっとネウロを受け入れていた。

「我輩も流石にこたえた」

「ごめんなさい…」

「構わん」

ネウロが腰かけるソファに横たわり、膝枕をしてもらっているとなんだか不思議な気分だ。

「あ、ネウロ?」

「なんだ?」

「えっと、その、挿れる前にね、何て言ったの?」

「……聞こえなかったのか?」

「何って聞いたのに、答えてくれなかったでしょ?」

心なしか、ネウロの顔が少し赤くったように見えた。

「一度しか言わない、よく聞け」

「いたたたっ!」

耳をつねられ、重たい体を起こそうとするとネウロが唇を重ねてきた。

「 」

小さな声で私にそう言うネウロに、私は自ら彼にキスをした。



unknown
貴様に「好きだ」と告げた時の
笑顔はきっと忘れられない


::アトガキ::
影の薄い主人公もの。読んでる方は自分と重ねられるかわからないけど、これで完結。








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