novel

□このまま君だけを
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「うわー、こんな時間になるなんてなぁ」

会社の残業で帰りが遅くなるのはよくあることだが、まさかこんなに遅くなるなんて……。

エレベーターでロビーまで降り、玄関前を見ると円柱にもたれる愛しい彼の姿を見つけて、疲れはぶっ飛んだ。

「衛士っ」

「ああ、お疲れ」

笹塚衛士、刑事として働いている彼とは私がストーカーに襲われそうになっているところを助けられたのが出会いだった。

「どうしたの?私連絡してないよね?」

「家に行ってもいなかったから、ここしかないだろ?」

ストーカー事件からしばらく、彼は毎日のように私を迎えに来てくれた。それが申し訳なくて、今は来ないようにお願いしてる。
でも、私が遅くなるときは連絡しなくても必ず会社の前で待っていてくれる。

「明日、非番なんだ」

「そうなの?私も休みなんだ、久しぶりに一緒に居れるね」

意気揚々と衛士の車に乗ると、いきなり深いキスをされる。

「んぅっ…ふ…ぁ…」

「…悪い、久しぶりだからさ、ついがっついて」

顔を赤らめて言う彼が、凄く可愛く思える。

「ねぇ?」

「ん、どうした」

「すぐそこにあるんだけど…」

「……あれか?」

私が指差す方向、それは

「行ってみない?」

ラブホテル。







「うわぁ、あっかいなぁ」

「だな」

赤みの強いライトが部屋を照らし出し、なんともエロティックな雰囲気。大きめのベッドが目に入り、私は飛び込んだ。

「ふわふわっ!いいなぁ、このベッド」

「いきなり誘ってるのか?」

「違うよっ!」

ネクタイをとき、ワイシャツのボタンをはずす衛士の仕草は部屋の雰囲気に負けず劣らずエロい…。

「ふふ、まぁこのままでもいいけど、せっかくホテル来たんだし、シャワー浴びてきたら?」

「うんっ」

「俺も浴びる」

「え?うわぁっ!」

寝転がっていた私をお姫様だっこして、浴室の前までいくと私のスーツを脱がし、ボタンに手をかける。

「ちょっと、衛士」

「ほら、ゆいも、俺の服脱がして」

「ん…うん」

戸惑いながらも衛士の脱げかけのワイシャツを脱がして、ベルトに手をかける。

「……どうした?」

「いや…恥ずかしくてっ…」

「そうか」

「あっ」

ブラのホックを外され、胸が露になると、衛士はいきなり胸の突起を指先でいじりだした。

「アァッ…」

「ほら、早くベルト」

「んぅっ…わかった…からぁ…」

ベルトをはずし、ズボンのボタンをはずしてチャックをさげるとストンとズボンが落ちた。

「はぁっ…ん…脱がしたよ…」

「いい子。次は下着」

「わかった……」

ゆっくりと下着をさげると、既に主張している衛士のものが現れた。

「っ…」

「ゆい見てたら興奮した」

「もうっ」

衛士はふっ笑うと自ら下着を脱いだ。細身の体についた筋肉、やっぱ刑事さんなんだなと実感する。

「何見てんの?」

「べっ…別に…!」

恥ずかしくなって私は浴室に飛び込み、シャワーを出す。

「おい」

「なにっ!」

熱くなったシャワーの中に飛び込むと、衛士はクスクスと笑い始める。

「なによっ」

「お前…パンツ履きっぱなし」

「え、あ」

そうだ、私脱いでなかったっけ……。急いで脱ごうとすると衛士に後ろから抱き締められて阻止された。
衛士のものがお尻のあたりにあたって恥ずかしい。

「脱ぐから離して…」

「やだ。しばらく履いたまま、な?」

「やだよっ!気持ち悪いっ」

「いや、これはこれで…エロいから」

そう言うと私の体を衛士の方に向けさせて、貪るようなキスをされた。

「んっ…んぅ…ふ……」

キスの間も体を撫で回されて、体の感度がどんどんあがっていくのがわかる。

「はぁ…やばい…今日は止まらないかもしれない…」

「あっ…ん…衛士っ…」

「なに?」

「ひゃっ…」

下着越しに秘部の割れ目をなぞられる。濡れて密着しているせいで、もどかしい快感が伝わってくる。

「あのねっ…ベッドで…したいのっ………」

「わかってる。ただ、しばらくはここで…。もう見てるだけで我慢できないから」

「あぁっ…あ…やだぁ…」

胸を揉みしだかれ、体に力が入らない。壁にもたれて、ただ快感に身を任せるだけになっていた。

「やらしい…」

「もっ…立てないっ…よぉ…」

「……わかった」

衛士はどこか名残惜しそうにびしょ濡れの下着を脱がすと、再び私をお姫様だっこして浴室を出て体を軽く拭いてからベッドに戻った。

「衛士?」

「なに?」

私が肌触りのいい布団に潜り込むと、衛士も潜り込んできて私を抱き寄せた。

「今日はなんか、スケベだね」

「ああ、忙しくてさ、あんま抜いてないし。ゆい見てたら…色々したくなって」

「ん…そっか…」

やっぱ忙しいよね、刑事だもん。ここは私が頑張らないと…ね。

「どうした?」

私はもぞもぞと布団に潜り込み手探りで衛士のものを見つけるとそっと口に含んだ。

「ぅぁっ…ゆい…?」

衛士が上半身を起こし、布団をめくる。私はお構い無しに衛士のものを舐めたり吸ったりした。

「はぁっ…やばい……」

「んぅっ…きもちぃ…?」

「っ…ん…いい…」

凄く可愛い。こうしてる間は特に、彼が私のものなんだって思えて幸せだ。

「はぁっ…もう…いい…」

「え?」

私の頭をそっと撫でながら自身を口から離れさすと、「おいで」と両腕を軽く広げた彼に飛び込んだ。

「ゆい」

「……いいよ、挿れて?」

「…悪いな、余裕なくて」

衛士は私を下にしき、自身をあてがうとゆっくり挿入してきた。

「んんんっ」

「流石に慣らしてないときついか?」

「大丈夫っ…だから…動いて…?」

「っ……可愛い」

そう言うと、私の腰を掴み激しく奥を突かれた。奥を突きながらもいいところも狙っているのか、たまに腰が跳ねてしまう。

「はぁっ…ぁっ…衛士っ…アァッ…」

「ゆいっ…好きだ…愛してるっ…」

「わたしっ…もぉっ…アァンッ…やっ……だめっ…」

「ん…イキそう…?」

「うんっ…アッ…アァァッ…衛士ぃっ…」

「ゆいっ……」

「衛士ぃっ…ンンンッ…!!」





事後、シャワーを浴びてバスローブをまとい、二人でベッドに寝転んでルームサービスのメニューを見ていた。

「このオムライス食べたいなーっ」

「何でもいいぞ、頼むの」

「うんっ」

私に微笑むと、衛士は起き上がりタバコに火をつけた。

「なぁ」

「ん?」

「非番だっつったんだけど」

「うん」

「実は会いた過ぎて有休とった」

「え!?」

「今日はここに泊まって、明日はどっか出掛けるか?」

衛士は少し恥ずかしそうにそう言って私を見た。私は、すぐに「うん!」と返事をした。



このまま君だけを
このまま時間が止まればいいのに



::アトガキ::
笹塚さん絶対ラブホとか入らなさそうだとか勝手に思ってます(笑)








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